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May 02, 2005

昇級審査をする意味

昔は、白帯黒帯の区別すら、当然、なかったのだ。
その後、黒帯っていうやつが出来て、次にだんだん、色帯(級)というやつが登場したわけだよね。
で、私が十代の頃までは、
「色帯は、審査料という名目で、カネを取るためだ」とか、
「武道をやる子供が増えたし、また、子供の入門者を増やし/飽きさせないため、色帯を作った」
なんて話を、しばしば聞いたような気がする。
そういう背景があるのと、
あと、黒帯取ると、たとえばケンカなどをした場合、「凶器を持っている」のと同等、とみなされてしまうよね。
それで、大学時代は、私のまわりでは、なんとなく、
「段は取らない方がいい」
「色帯はかっこわるい」
と言う奴が多かったのだ。

ケンカの時云々ってのは。
別に不良でもなんでもないんです(笑)。
ただ、やっぱ、十代の頃に何か武道をやるっていうのは、基本的に
「強くなりたい!」
これがあるわけじゃない。
で、別にみずからケンカをしたいわけじゃないけど、
「売られたケンカならいつでも買うぜ」
みたいな気持ちだったりするわけだ。

まあ、そういうのと。
「最強の白帯って、なんか、かっこよくないか?」
ってのも、あった。
私も、剣道やってて、そういうの取ろうとは全然思ってなかったな。
まあ、剣道の場合、柔道や空手みたいに、目立って色をつけた道着を着るとかじゃないけれど(笑)。

ところで、今期の昇級審査の話が道場で出た時に、
「Kuさんにも、そろそろ審査受けてもらわないと」
なんていう話が出た。
べつだん、うちの道場では、昇級審査を強制したりはしないけど、はなから、
「なるべく昇級していって、初段までは取りましょう」
なんて話を、よく、館長先生が、するのだ。
初段を取れば、あとは続けてもいいし、別の流派にいってみてもいいし、やめてもいいし、という事だ。
なので、昇級審査を何かの理由でパスする、というのも、「ダメ」とは言われないけれども。

Kuさんの場合、最初の昇級試験は、パスしている。
で、次の昇級試験も、本人は受けたくないと言ってる。
「まだ体力に自信がないから」
とか言うんだけど、本心はどうなのかなあ。
私が忖度する事はできないけれども、仕事が忙しいから当日来られないとかいう理由では、なさそうな感じ、と有段者の面々は思っている模様。
で、K先生が言うには、
「最強の白帯を目指すのも悪くはないかもしれないけど、結局、白帯のままだと、白帯だっていう甘えが出るからね」

白帯の甘え、とはどういう事だろう?
K先生が具体的に言ったわけではないけれども、たぶん、
「白帯だから、これこれはまだやらなくてもいい」とか
「白帯だから、後輩を積極的に指導したりしなくてもいい」とか、
「白帯だから、動きにアナがあっても強く言われない」とか、
そういう事があるんじゃないかなあ、と思う。
級が下の方(てか、白帯は「級外」ですが)の方が、よく面倒見てもらえるしね。

これは、私が、
「とらくんは次の審査で茶帯で、そうしたら黒帯は目前になるからね」
と、いろいろ脅された(笑)、その内容から類推する事だ。
もともと上地流では、レベルが(今でいうと、段とか級が)上の者が、自分より下の者を、マンツーマンで指導してきた、という伝統があるそうだ。
そこらへんもあるのだろうけど、級が上になるほど、下の面倒をみさせられる。
ということは、その級「なり」の、実力がないと、みっともないから、本人がそれ相応(以上)に、努力をしなければならない。そういうプレッシャーがあるよね。
なにもかも教えてもらうんじゃなくて、自分で考えて稽古をするとか。
指導する事が増えるとか。
だんだん、責任が重くなっていくわけで、本来、
「自力で稽古をする段階になる」とか
「入門者を指導する」
という責任のある、黒帯の負っている自覚や責任の、なんていうかなあ。
大きさ。
それに、だんだん近づいていく、ていうのがあるようだ。

まあ、ある日突然、黒帯をしめるようになって、
だから、いきなり後輩を指導しろとか、自分で稽古しろとか言われちゃうより、段階的にそうなっていく方が、良いという事なのだろう。

にしても、下の級にとどまる事が、甘えにつながるとは、思わなかった。
やはり、常に上をめざして奮励努力をしなければいけない(笑)。

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Comments

息子、先日は初段補の試験でした。
初段補になると、
小さい子を教えたりなど
いろいろなことも入ってくるようです。
本人のやる気に繋がってくれるのが
1番嬉しいと思ってしまう親心です…。

Posted by: Aya | May 09, 2005 at 07:24 AM

>Ayaさん
小学生で初段補とはすごいですね。
うちの道場だと、茶帯(2級~1級)になれるのが中学2年くらいから。
やはり、小学生中学生だと、後進指導の責任を負えないというのが理由のようです。
なので、今、6年生で緑帯の子は、今度の審査では準2級を受けさせよう、と先生が話しています。
審査と審査の間があまりあいても、やる気がうせるから、というのがやはり理由のようです。
もっとも、このあたりの案配は、流派や道場によっても違ってくるようです(笑)。

これに対して、というのではありませんが、古武道の方では
大人は級審査は一切行わず、充分な力がついてからいきなり段審査、と聞いています。
白帯からいきなり黒帯ってどんな感じなのか、今から想像しています(私はまだ先の話ですが)。

Posted by: とら | May 09, 2005 at 10:27 AM

後輩の指導、うちのサークルの幹部との折り合いをつけること、全て難しいです・・・。でも、確かに自分のプラスになることが多いので頑張ろうと思えます!!
うちのサークルのメンバーは、級や帯が代わることに付随する責任というものを自覚しているのかどうか、たまに疑問に思ったりもします。自分を含めてですが。。うちの後輩の奴も一人この記事を読んだらしく、かなり考えさせられたと言ってました。こういう場を借りて、いろいろ勉強させてもらえて感謝です!!

Posted by: 和尚 | May 10, 2005 at 02:45 AM

>和尚さん
後輩の方も読みに来て下さっていたのですね。
良かったら、遠慮なくコメントなどもいただけると嬉しいです>和尚さんのサークルの方々
級位、段位と、指導力の連携って、流派によっても多少は違うのかなと思います。
教える事は勉強になりますけど、ある程度の年齢・経験がないと、教える事自体ができないんですよね。なにしろ、自分ができる事でも、相手にうまく説明できないといけないわけで。
そういう意味では、たとえば子供のうちは段位を取らせないというおおかたの武道で採られている方針、理解できる事です。
でも、大人(高校生以上)に対して、普段、級位が上がれば指導しないと、っていう事は、あまり言われないような気もします。私も大学で剣道していた頃は、そういう話、聞いた事がありませんでした。

Posted by: とら | May 10, 2005 at 07:41 PM

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