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August 29, 2005

「大韓剣道」(デハンクムド)に関する覚書

韓国がなんでもかんでも「ウリ起源」(その日本文化は実は韓国起源)とネット上で発信している事が、このところ、日本のネット上でも関心を集めてるよな。
いや、これがもう、凄いんです(笑)。
韓国でそれぞれの関連団体が「公式HP」で全世界にむけてそう喧伝しているわけだ。
折り紙、
柔道、
いけばな、
茶道、
空手、
ソメイヨシノ、
侍、
日本刀、
剣道。
「はあ?」と思うだろ?
柔道は、日本の柔道の団体(講道館かな?)が猛烈抗議して、韓国側が主張を取り下げたと言われている。
また、空手の場合は、「テコンドーが空手の起源」とうたっていたそうだが、これも最近、テコンドー協会の上の方の人が、「テコンドーは空手から影響を受けた」と明言した由。
ちなみに、テコンドーって、テッキョンが元だとソウルオリンピックの頃から言われていたと思うのだが、このテッキョンも、実は関係ないってのが2chの武道板などでは広まりつつある模様。
(個人的には、テッキョンとテコンドーの関係はどうでもいい(笑)。空手との関係さえ正しく発信されていれば)。

さて。
剣道ですよ。
実は、この問題がネット上で広がる前に、Cafestaで聞いた話があるので、覚書にしておこうと思う。
これは、韓国のお医者さんと結婚した日本女性から、Cafesta上で聞いた話。
彼女の旦那さんは、剣道をやっているのです。
で、韓国では「大韓剣道(デハンクムド)」というのがあるんですよ、と彼女から私は聞いた。
「ええ? 韓国にも剣道ってあるの? へえーっ」
と、驚く私に対して、彼女自身は剣道も大韓剣道もしないため、あくまでも旦那さんから聞いた話ということで、次のような事を話してくれたのだ(笑)。

微妙な違いはあるみたいだけれども、剣道衣や防具については、剣道と大韓剣道は同じ。
しかしながら、かけ声(面、胴、などの)は、韓国語で行われ、試合も韓国ルールがあるらしい。
日本語の「面!」などを使う事は、嫌われるか禁じられている。

彼女の旦那さんは、日本人を妻にしているというくらいだからか、これを嫌い、日本式にこだわるため、あまり大韓剣道の道場(というのかね)には、行って稽古したがらないのだそうな。
ネット上のカフェで、同志とともに(大韓でない)剣道談義を楽しみ、その際、ハンドルネームとして、日本語の剣道用語を使っている(ここでは伏せます)、という。

……本来、以上の情報について裏付けを取れるようにすべきだろうし、Cafestaにはまだ私のページが残っているため(その掲示板でのやりとりです)、検索すればわかる事には違いないが、一応プライヴァシーにかかわることだし、ご当人(その人の旦那さん含む)に、迷惑のかかるようなダイレクトコースは避けたいので、伏せたままにしときます。
だから、あくまで「聞いた事を覚書として残す」という形にした。

さて、個人的に、
「これこれについてはどこそこが起源だ!」
という起源論は、くだらないと思っている。だが、だからといって、一国の文化を他国が詐取するがごとき情報発信は、きちんと否定しておくべきとも思う。
とくに、剣道に関しては、自分もやっていた武道であるから、よけいに「腹立つ」というのはある(笑)。

これまた2ch武道板などにいくつもスレッドがあり、「クムド」あるいは「韓国 剣道」で検索すれば、ばっちりヒットしまくるので、ここでリンクする事はあえてしないが(流れがはやいから、リンクしてもすぐに次のスレが立ってしまうみたいだし)、それらのスレッドで主張されている論に、おおむね私も賛成の立場でいる。
一応、まとめておこう。

韓国側は、クムドの起源を、花郎道(ファランド)に求めているのだそうだ。
でもって、花郎というのは、フィクションでいうと山岸涼子の『日出処天子』(花とゆめコミックス)や、金蓮花の打鈴シリーズ(コバルト文庫)にも登場するのだが、高句麗の名家の子弟が特別に訓練された、一種のエリート武人と考えれば、おおむね、良いようだ。
というのは、花郎については、それほど詳しい史料が残っていないようなのだよ。
高句麗といえば、中国の支配を脱して朝鮮半島を政治的文化的に独立させましょう! という気運を高めた半島の国なわけですが、いかんせん、半島の文化は中国の影響をむちゃくちゃ大きく受けているわけで、当然、彼らの使った兵器も、中国系と考えられる。
これは、半島経由で渡来したと思われる日本のふる~い剣を見ても可能性高いと思われる。

で、それらの剣は、(江戸時代以降、剣と刀は日本では混同されているけれども)両刃の「剣」であり、片手でふるうものなのですな。
もちろん、両手で持ってはいけないわけじゃないが、基本、片手。もう片方の手には、盾を持ったかもしれない。

また、朝鮮民族は騎馬民族系というのが定説。
馬の上で刀剣をふるう場合は、「両手で持つ」ことは、あり得ない。
馬上の武器としてはあくまでも補助的な武器であろうし(間合いの問題から考えてね)、
片手は馬のコントロールのためにあけておく事が望ましいだろうし、
なにより、両手で刀剣を持ってふるえば、体の前面で刃をふるうことになるが、そうしたら、馬の首にあたりますって(‥。

ゆえに、文化的には、基本、中国の影響を大きく受けており、しかも騎馬民族という前提があり、事実馬に乗って闘った花郎が、刀剣に関して、両手でふるう「剣」を用いた事は、まずあり得ないだろう。

しかるに、剣道ってやつは、「剣」(実際には刀)を両手で握りますね?
相手とは半身にならず、基本、体の正面を向けて正対します。
明らかに、地上で闘うための形であり、馬上向けではない。

また、日本で剣道が発達した背景には、戦国時代が終わり、武士が実質的な支配者となったというものがある。
戦場では槍が主力兵器だったが、これって平時には向かないのだな。
持ち運びが大変だし、屋内でふるうにも向かない。
ゆえに、携帯しやすい武器である「刀」が武士の象徴となっていったわけで、
武士が武術を学ぶなら、いつも持っている刀をやるべきだよね、ということになり、
江戸時代にはそりゃあもうたくさんの剣術の道場(流派も)が、存在した。
武士は当然剣術を学んだが、江戸後期になるにつれ、町人や百姓も剣術を学ぶようになった。
なぜなら、政治的・文化的に、剣術がトレンドだったわけだから!

これに比べて、朝鮮半島では、儒教の勢力が強かった(日本の、日本化した儒教と違い、中国直輸入そのまんまの儒教ね)。科挙も持ち込まれていました( ‥)/
で、儒教的観念にてらすと、汗水たらして働くのはもとより、武力をふるってどうこうするというのも、
「士太夫のすることじゃあない!」
……わけなのだよ(笑)。
もちろん、武官はいた。でも、文官より武官のが下。
ゆえに、人が政治的・文化的トレンドとしてとらえるのは、儒教で重んじられる四書五経の勉強であって、決して、体を動かす武術ではないのだ。
日本のように、剣術の道場が多数存在したなどということも、もちろん、ない。

このような文化的背景を比べてみて、
いったい、どうして、剣道が韓国起源などということが言えるのであろうか?

とりあえず、日本の剣道の団体には、剣道史などをふくめ、全世界に剣道の事はきちんと発信してほしいし、
「剣道(クムド)は韓国起源」と発信している韓国の団体には(柔道がそうしたように)、抗議してほしいねえ。

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Comments

詳しくは知りませんでしたが、そのような風潮があるのは知っていました。
何が何でも日本の上に立ちたいようですな。
自国の価値を貶める行為であると何故気付かないのか・・・
心有る朝鮮の方はそんな事はしないと思いますが・・・
やれやれ。

Posted by: 霧狼 | August 29, 2005 at 10:08 PM

>霧狼さん
論拠をきちんと示すことのない彼らの起源主張を見ている、日本人のほとんどは、個人的には、呆れるか、憐れみの目で見ているんじゃないかと思います。
ただ、そういう彼らの「主張」が、他の国々に受け容れられる事については、憂慮の声が日々高くなっているようです。
なんでそんな事をするのか。
日本人的感覚ではまったく理解できないですが……。
たぶん、彼らの不幸な歴史と、儒教の悪い面での影響(てか、彼らの儒教って、論語読みの論語知らずな気がしますが)などが導き出してるんでしょうねえ。

Posted by: とら | August 29, 2005 at 10:33 PM

現状はまさに貴兄のおしゃっるとおりだと思います。今大切なのは、今後如何に日本武道が対策していくかということだと思います。対策方法について議論、検討しあう段階にきているようですね。素晴らしい情報発信ありがとうございます。

Posted by: su | September 21, 2005 at 10:57 PM

>suさん
先日はTBありがとうございました。
私も空手をやる者(そしてかつて剣道をしていた者)として、現状を非常に憂慮しています。しかし、クムドというやつは、日本ではほんとに情報が少ないんですよね。
ですから、自分の目で見たわけではないけれども、まさにそのクムドをやっている人の奥さんから直接聞いた話を、情報を求めている人の多少のお役にたてば、とメモ書きしてみたのです。
日本の武道系団体は、まだ、こういう方面の現状認識が甘いようですね。
個人の力には限界があるでしょうが、まずは話題として取り上げていくことで、そういった団体にも問題に気づいてもらう、というのが先決でしょうか。

Posted by: とら | September 21, 2005 at 11:12 PM

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Tracked on August 29, 2005 at 02:55 PM

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